業務内容を教えてください

金型設計とマシニングを繋ぐ
CAM担当者の重要性

モノづくりを簡単に言うと、製品の設計を行いデータ化したものを、機械や人の手で加工をして実際の物体として仕上げていく事イメージすると思います。まずは設計段階で「CAD」というソフトを使用して、3Dのデータとして製品を作る作業を行います。実際のモノづくりでは、そのデータのままでは機械を動かしてモノを作る事は出来ない為、機械に指示をする為のデータに置き換えるのが「CAM」というソフトになります。「CAM」では金属ブロックをどのような機械で、どんな工具を付けて、どんなスピードで加工を行うかを考えてプログラムする事で、CAMデータを基に機械を動かします。
昔であれば紙の図面を見て、職人の技で機械を扱い金属加工を行っていましたが、現代の製造ではCAMでプログラムしたデータがなければ加工が出来ません。そういった意味では、設計データを製造に繋ぐ、なくてはならない仕事がCAMの仕事になります。

自分の思った通りに加工機械を動かし、3Dモデルというバーチャルなモノを実際に金属の塊をリアルなモノにつくり出した時のやりがいは、ガッツポーズしたくなるぐらい、とても大きいです。CAM担当は加工機械を動かす為のデータ作成をするので大半はPC作業ですが、一番重要なのは加工機械を動かすことです。データ作成をして終了ではなく、そのデータを使用して加工機械を動かすのが、CAMの役割になります。

金型設計とマシニングを繋ぐ<br />
CAM担当者の重要性

苦労話などはありますか?

加工機械は我がパートナー!
CAMのプロフェッショナルになるには

製造業では、加工における「精度」と「早さ」が重要になります。加工精度が高いのはもちろんですが、早く製品が出来る事で、コストダウンやお客様納期の短縮などに繋がります。いかに人の手を使わず、加工機械で金属を削るか?大きな刃物でスピードを上げれば、どんどん金属を加工出来ますが、精度が落ちてしまうので、いかに要求精度を担保しながら早く加工が出来るかはCAM担当の腕の見せ所になります。

CAM担当は加工機械のパートナーのような存在です。自分の手足のように動かせるようになってこそ一人前です。加工機械は良くも悪くも、データ通りにしか動きません。人間のような「さじ加減」がないので、使用する加工機械の特性を熟知し、そこに取りつける工具に関しての知識も必要です。

私は関工場の立ち上げ当初からのメンバーで、当時は金型の知識も少なく、最適な工具も、メンバーも揃っていない状態でした。加工機械に付ける刃物(工具)も世の中に数万点以上あり、その中から適した刃物を選定しなければなりません。その為多くの失敗、試行錯誤をしながら、お客様の信頼を得るようになるまでには、大変苦労しました。今ではCAMデータ作成も機械加工時間も半分になるぐらい成長出来ました。

加工機械は我がパートナー!<br />
CAMのプロフェッショナルになるには<br />

今後チャレンジしたいことは?

ブロー成形の認知拡大と技術継承
創るだけではない、アウトプット力も!

関東製作所は60年以上ブロー金型を製作して来ました。私もその中で10年以上もの間、ブロー金型のCAM担当として業務して参りました。これからは、自社の技術力を社外に向けてPRして行きたいと考えております。
ブロー成形品は、世の中のプラスチック製品の中で約1割ほどしか使われていません。それだけニッチな業界なので、ブロー成形に関する知識を持っている人も少ないです。自社の技術力を社外に向けてPRをして行くことで、まだブロー成形の知識の少ないお客様に対しての新規需要の発掘に繋がりますし、ブロー成形という技術を継承して行く事にも繋がると考えています。
その為に、ブロー成形に関する知識や自社の取り組み等をWebサイトに公開して情報を発信しています。私も執筆者の一人としてCAM作業の間に原稿を執筆しています。今では立派なライターです。笑

また、地域と連携して、小中学生などを対象に工場見学会なども開催しています。製造業の若者離れが進んでいる中でブロー成形という技術を継承出来るように、地域に開かれた工場を目指します。小中学生でも分かり易く、楽しめるような工場見学をするにはどうすればいいか、工場スタッフで試行錯誤するのも結構楽しいです。

ブロー成形の認知拡大と技術継承<br />
創るだけではない、アウトプット力も!

TIME
SCHEDULE

一日のタイムスケジュール

7:40
出社
8:00
チーム内でミーティング
8:15
内勤業務(CAMデータの確認)
11:00
内勤業務(CAMデータの調整)
16:00
機械加工の現場用の仕様書作成
17:00
定時
18:30
内勤業務(次の作業のCAMデータの準備)
19:00
退社
私は入社してはや10年が経とうとしています。入社当初は金型のことも全く分からず、ミスもして落ち込むことも何度もありましたが、それらすべて自分の経験値となり、現在の仕事量をこなせていると実感します。今後は、若手の育成やチーム内のリーダーを期待されているので、培った経験値を基にしっかりマネジメントしたいと思います。

先輩インタビュー

Interview

働く場所・従事する仕事はバラバラだけど、自分の使命に真摯に向き合う先輩たち。
関東製作所に集まった、それぞれのチャレンジと想いを紹介。